運動療法は腰痛に効果がある?あるとすればどのような運動が良いの? 【肩こり腰痛】N0_46 腰痛改善の運動療法について

記事上

【肩こり腰痛】N0.46 腰痛改善の運動療法について

運動療法は腰痛に効果がある?あるとすればどのような運動が良いの?

運動療法は急性腰痛には効果が見られないですが、慢性腰痛には顕著な効果があることが実証されています。推奨される運動の種類は治療機関によって異なりますが、一般的には静的ストレッチから始めて、腹筋の補強運動、全身の補強運動へと段階的にレベルアップさせていきます。

■腰痛改善に効果がある運動療法

腰痛になったらまず第一に安静にして、薬物などの保存的療法を行い、効果がなければ神経ブロックや手術に移行するのが通常でしたが、欧米で導入され始めた「科学的根拠(証拠)に基づく医療(EBM:Evidence Based Medicine)」に基づく検証で運動療法は、急性腰痛には効果が見られないが、慢性腰痛には顕著な効果があることが明らかにされています。
日本整形外科学会・腰痛学会が2012年に作った「腰痛診療ガイドライン」の中でも、発症から4週未満の急性腰痛には運動療法は効果がないが、3ヶ月以上続く慢性腰痛への有効性には高い証拠があると解説しています。

また、4週間以上3ヶ月未満の亜急性腰痛に関しては、運動療法と他の治療法を比較した場合、痛みと機能障害の改善における違いに差は生じなかったが、運動療法を段階的に増やしていくと職場の欠勤日数を減らす効果が認められたといいます。

先述したEBMでは、痛みがあっても動ける範囲で動いたほうが治りが速いとも述べております。日本でも他の病気で手術をした場合、最近は早期にベッドから起こされ、動くように指導される傾向にあるのは、運動の効果を認めているためと思われます。

■どのような運動が効果的なの?

腰痛が出ているときは、痛みを悪化させない配慮が必要です。このため、医療機関の運動療法プログラムや整骨院・治療院などの治療方法は、段階的に負荷を強めていく方式を取っているのが多いようです。

一例をあげますと、第一段階では易しくできる静的ストレッチ体操、第二段階ではストレッチ体操に加え腹筋の補強運動、第三段階ではストレッチ体操に加え全身の補強運動というようなプログラムを組んでいます。

腰痛に運動療法を取り入れる場合は、最初の段階で安全を期して専門医や理学療法士などの指導を受けてから実行するのがお勧めですが、医療機関や治療院に行く時間などが取れないで自分一人で始めたい時は、痛みがでない方向への静的ストレッチをするようにします。例えば、後ろに反ると痛みがでる時は、ゆっくりと前屈姿勢のストレッチをする、逆に前屈姿勢を取ると痛むときは後ろに反るストレッチをするようにします。このストレッチをしてから5秒程度その姿勢を保持することをリピートすることで、腰痛が緩和される可能性が高いです。痛む方向へは絶対にストレッチをしないでください。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページ上部へ戻る